ケータイのオープン化を妨げるもの・促すもの

たとえば、モバイルにおけるWeb 2.0(レポートはこちら)。Googleの幹部が基調講演に登場するなど、モバイルにも確実にWebプレイヤーが進出してきた。Googleのスピーカーが指摘しているように、モバイル市場の分断化は障害となりそう。ShoZuのCTOも、OSをサポートしたつもりでも、OSとメーカーの組み合わせにより、「必ず1台はダウンロードできないとかクライアントが動かないなどの支障がある」とこぼしていた。

モバイルPCが高機能にも関わらず、電池や応答時間の速度の問題をうまく解消しているのは、メーカ独自仕様・独自実装という側面が見逃せない。
高機能な中でも極力無駄をなくすためにそうなる。それがメーカの競争力の源泉の一つにもなってきた。
中で使っている部品は汎用品であるとは限らないわけだ。でも、メーカはそうすることで差別化を図ってきた。(日本のコンピュータメーカの苦戦の背景にはこれがないとは言い切れないと思う。)


ケータイのキャリアも自分たちがマネージメントし、作らせている端末が当面、オープンな製品に負けないと手放しで喜んで良いかというとそうでもない。

以前、SkypeSymbianサポートが遅れるというエントリを書いたが、どうやら年内には実現するかもしれない。スピーカーとして登場したSkypeの担当者が、それを匂わせていた。



skypeSymbianをサポートする。開発表明をしたのではない。もうすぐに実現する。
SHARPFujitsu・三菱・SONYはドコモのケータイを開発するのにSymbianを使っている、あるいは、使ったことがある。(ケータイ業界30兆円の行方 キャリア再編のシナリオ p.170)4メーカにSymbianの組み込み開発の実績があるのである。キャリアがこの先、オープン化とうまく強調しつつ、企業として上手にクローズにしていかなければ(上手なプラットフォームと言う意味でのクローズ化・広告事業に組み込むと言う意味でのクローズ化など)メーカに反旗を翻される可能性はなくはないと思う。

ケータイ業界30兆円の行方 キャリア再編のシナリオ

ケータイ業界30兆円の行方 キャリア再編のシナリオ



auはそこら辺のサジ加減を考えながらオープン化とバランスを取ろうとしているように思う。


なんにせよ

  • MNPで端末たくさん出すことになって、一台あたりの利益も少なくなってきた。(何%なんだろう?)
  • NWサービスは、キャリアに考えてもらわなくたってインターネット上に美味しいサービスがいくらでも転がっている。
  • キャリアを経由しなくたって、使えるNWのインフラは整備され、工夫して使えば、十分ニーズを満たせる環境が整ってきた。

メーカが無理に携帯電話に注力する必要は薄れる一方なんじゃないか?


今日はMNPだけどもキャリア間だけでの勝負だけでは語れない大勝負はまだまだ多いと思うわけです。