2009年の方向性を決める9冊
デジタル系の製品・サービスを作る私たちにとって、一瞬先は闇だと最近は痛感している。
ITにまつわる最新技術やトレンドは、山のようにあって、俯瞰して見た上で、何が来るのか来ないのか確度高く予測して、実サービスにしていかなければならない。
それでも外れることの方が圧倒的に多い。特に私の場合。
そういったある種の商社的な勘を身につけるためにどうするべきかはいつも悩むところだが、トレンドになったことというのは過去に予測されているものがほとんどだよ、とマネージャに教えてもらった。
大体の人が思いついたものでなければ、誰も理解できないし、誰かが理解してくれなければ、これだけ規模感が膨らんで作るのが大変なものを2〜3年で商用化なんてとても出来ないような気がする。それを考えると納得感があると言えなくもない。
そこで、未来を予測している本がないかを調べたら、普通にあるある。
毎年必ずと言ってよいほど、年末に色々な将来予測がある。
意外と自分の知人も興味があったようで、話すのも面倒になってきたので、10数冊ほど読んだ中で、良かった9冊を紹介してみる。
情報・通信市場、モバイル系で、コンシューマに向けた検討をしている人には割と好評。
【技術編系】
1.これから情報・通信市場で何が起こるのか
これから情報・通信市場で何が起こるのか―IT市場ナビゲーター〈2009年版〉
- 作者: 野村総合研究所情報通信コンサルティング部
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2008/12
- メディア: 単行本
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モバイル・固定含めて、今後の情報・通信市場の予測について定量的なデータを用いながら解説している。
主に、ネットビジネス・モバイル・ブロードバンド・放送メディア・ハードの切り口で、解説している。
課題と解決案の提示が分かりやすく書かれており、野村総研凄いなあと感じてしまう。
必ず各市場に対して、市場規模が金額ベースで書かれているため、どの市場が大きくて、どこが小さいのか事実ベースで頭に入れておくとよい。
未来予測については、根拠含めて吟味したいところ。
これは必ず押さえておきたい。
2.ITロードマップ〈2009年版〉情報通信技術は5年後こう変わる!
ITロードマップ〈2009年版〉情報通信技術は5年後こう変わる!
- 作者: 野村総合研究所技術調査部
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2008/12
- メディア: 単行本
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1が割とコンシューマ寄りで、目に見えるサービスについて解説している方で、こちらはどちらかというと企業寄り。
クラウド・コンピューティングや次世代検索など、基幹技術系の解説が多く、1とセットで表とバックボーンを学ぶと良いかと思っている。
こちらも割と分かりやすいと感じた。Saasなど業界にとってはなじみのある言葉になってきても、導入には時間がかかっている現状など理由と共に明示されていて勉強になる。
3.週刊アスキー 1/20号 09年超重要キーワード46
http://ascii.asciimw.jp/books/magazines/wascii.shtml
こちらは完全にコンシューマ寄り。
やはりアスキーはあなどれないなあと思う。
キチッとイメージを喚起する予測画像を用意しつつ、割と裏付けの取れたような予測をする。
1,2は5年後くらいまでのスパンで書いているが、アスキーの場合は、完全に2009年予測なので割と今の延長上のような物が多い。
1,2のように割と大局的な流れで、世の中が流れたとしても、結局は、こういった細かい今の延長上の中で進歩というのは行われていくのだろう。
1,2を抑えた上で、じゃあ超具体的には、どんな形で市場にでるんだい?というのを知るのにお勧め。
【日本社会系】
技術的な流れがわかっていても、結局は世の中全体の大局的な変化によって、その流れは遅くなることもあるし、根本的に変わってしまうこともある。
その変化要因は押さえておきたい。
4.日本の論点 (2009) (文春ムック)
- 作者: 文藝春秋
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2008/11
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とにかく分厚い。全部で800ページ近くある。
各界の専門家がそれぞれの論点についての2009年を語る。
日本と世界の経済・外交・マネー、税金とくらし、メディアとネット、教育・少子化・格差・・・
日本の論点と言うだけはある。
さすがに全部は読んでおらず、関連しそうな一部項目だけ読んでいる。
5.日経大予測〈2009〉
- 作者: 日本経済新聞社,日経=,日本経済新聞=
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2008/10
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こちらは割と読みやすい。
日本経済にかかわることを経済・金融・経営・各産業・技術・政治・国際情勢の観点から論じている。
面白いのは、そのすべての項目の行く末が本命・対抗・大穴の3つで、それぞれ舵が切られる要素について解説している。
こういったパターンを頭に入れて、毎年どう転がったのかを確認することは勘を養うのにつながる気がする。
6.マーケティング・ハンドブック 日経MJトレンド情報源〈2009〉
マーケティング・ハンドブック 日経MJトレンド情報源〈2009〉
- 作者: 日経MJ
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2008/10
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個人消費にかかわる各業界・企業のランキングを主に売上高の順位を定量的に示し、そのデータの裏側にある事情や今後について、説明している。
データの量がとにかく膨大で、どこの業界・会社が元気なのか非常に分かりやすいので、辞書代わりにも使えるか?
【個人消費の流行】
7.日経 TRENDY (トレンディ) 2008年 12月号 [雑誌]
日経 TRENDY (トレンディ) 2008年 12月号 [雑誌]
- 作者: 日経トレンディ
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2008/11/04
- メディア: 雑誌
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デジタル家電に限らず、2009年のヒット商品を扱っている、
カップ麺やら流行ったお店、文房具、グッズ、食べ物、サービス・・・とにかく色々。
直接は関係ないかもしれないが、結局、最初は個人がお金を払っている場合、こういった流行の背景にある心理を読み解くのは重要かもしれない。
8.DIME 1/6号
http://skygarden.shogakukan.co.jp/skygarden/owa/sol_magcode?sha=1&neoc=2405101109&keitai=0
7と同じ。小学館と日経なので、若干切り口が違っており、扱われているものの違いや同じであってもブレークした理由が違うなど違いを意識して読むと勉強になる気がする。
9.日経エンタテインメント ! 2009年 02月号 [雑誌]
- 作者: 日経エンタテインメント
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2009/01/05
- メディア: 雑誌
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こちらは商品というより、テレビや映画、音楽などメディア系の2009年を占っている。
思考に影響を与えるような大衆メディアは、個人消費の流れを大きく変える潜在力を持っていると感じている。
もちろん、メディアが提供したい内容と視聴者が見たい内容の刷り合わせではあるが、ある種視聴者を通して、市場の行く末が変わる可能性は高く、押さえておきたい。
#感染列島が流行ったら、パンデミックという言葉が流行って、マスクがバカ売れするんだろうか。
もっと他にもあったが、自分の中ではこれがオススメです。
知り合いの人も含めて、もっと良いやり方などあったら教えてほしいです。