SIMロック解除 お得感を持つユーザが変わるだけ

ソフトバンク孫正義社長は、SIMロックの解除について「当社においても、まだ2割が割賦販売ではなく、こうした状況でSIMロックが解除されれば、4万円の奨励金を払った携帯電話を海外に持っていかれ、3万円で転売されるということが起こり、転売される端末が1億台も、10億台も世界中に出まわることになる。日本の携帯電話会社3社は吹っ飛んでしまうだろう。中長期的にはSIMロック解除の動きは正しいが、慎重にやっていくことが必要である」と語っている。

SIMロック解除の議論がこのところ活発だ。
争点はやはりビジネスモデル、インセンティブの問題に尽きるようだ。
日本国民のメリットとして世界最高峰の進化スピードを誇るモバイル製品を低価格で、頻繁に購入できると言うメリットがある。
その代わり、通信料金は高いと言われている。


SIMロックが解除された場合
ユーザメリットは

  • 通信料金が月数百円の単位で安くなる可能性がある。

 (例えば、ドコモで、4万円×100万台÷5,000万契約=800円 単純すぎる計算かもしれないけど)
 端末は月100万台売れている。販売奨励金は1台につき、4万円払われているとするならば、
ドコモの場合は単純に計算して、800円通信料金を抑えることが出来るようになる(と思われる。)
更に競争が促進され、安くなる可能性はある。

  • 端末の選択肢の幅は広がる。(3キャリア全ての端末が使える。)



しかし、ユーザデメリットは

  • WINや90xシリーズのような高機能端末は5万円以上になる。
  • メーカーの技術進歩は緩やかになり、これまでのようなペースの速い機能の進歩は望めない。

と言う感じだ。
更に、3キャリア間の端末に互換性を持たせると言う話になると、

  • ソフトウェア開発費用の高騰、搭載PFの多重化により、端末の厚みや重さが一時的に増加し価格も高くなる。
  • その負担はユーザーに還元されてくる。

ことが予想される。


まあケータイを買わなきゃいいだけの話である。と言っていると、
端末の販売台数が下がる→メーカーの端末生産量が下がる→部品メーカーの部品生産量が下がる→部品の研究開発のペースが鈍化する。
そうなると、
他の家電製品の価格も高騰する、あるいは、なかなか機能進歩しない状態になる。


何故か、
例えば、カメラの部品で見てみる。
現状であれば、少なくとも年間1,000万個以上のカメラ部品がケータイの普及により発注されていることになる。
当然、部品メーカーはもうかり、更にカメラ部品に投資する。カメラ部品に新たな高画素化技術が盛り込まれる。
そうすると、ケータイのカメラに限らず、通常のデジカメの進化にも還元されることになる。


そうしてケータイの爆発的な普及を背景に、他のモバイル端末の技術進歩を支え、世の中の生活をより早く便利にすることに貢献していたのではないか。
別に綺麗に撮れる写真は要らないし、外でテレビを見たり、録画したいとも思わない、より豊かに人とコミュニケーションをとりたくもないと言う人が圧倒的に多数ならしょうがないけど、そうでもないと思う。
お国の人は基本的に電話とメールだけ出来ていれば十分と言う人たちが集まっているんだろうか?それとも、深い洞察があってSIMロック解除を謳っているのか?もっと真意を知りたい。