Googleもケータイをやりたがっている!?

 Google CEOのEric SchmidtがReutersの記者に喋った話によると,モバイル広告によりモバイル料金をいつか無料したいということだ。得意の広告モデルをモバイルビジネスにも適用し,コンシューマー向けモバイルサービスをタダにしていきたいようだ。

Googleもケータイ業界を本格的にやりたがっているんだな。
今はauのサービスの中の一機能であり、auのサービスとGoogleのサービスがセットになっているというイメージが出来なくもない。


Google他、ケータイ事業に参入してきているITサービス事業者が今後もキャリアと手を取り合ってサービスを提供してくれるか否かは、以下のポイントにかかっていると思う。

  • ワンステップで自サービスを提供できるデバイスが今後出るか否か?
  • そのデバイスは自社のサービスを提供するに当たり、十分なネット接続を果たしているか?
  • そのデバイスでは自社のサービスを提供するに当たり、十分なユーザ数を担保できるか?

の点である。


現状、キャリアはワンステップ、少ステップ・高速でアクセスできるサービスを自社のサービス限っている。
自社のメールクライアント、電話機能、iチャネル、他。
他のサービス事業者が提供するサービスに関しては、ブラウザなり多くの情報が一緒に混在するフィールドで勝負しなくてはならないし、URLを入力したり、QRコードの読み取り操作をさせなければならない。


現状、サービス事業者が提供するサービスを開発するための言語とキャリアが提供するサービスを開発するための言語との間には速度差と表現のフレキシビリティの差が大きく横たわっており、圧倒的にキャリアが有利な状況である。


ステップ数が多く、しかも、速度が遅い中で勝負しなくてはならない点が難点であるが、最近、HSDPAのように真の高速回線が登場し始めて事態は変わりつつあるように思う。速度が遅かったブラウザの情報表示が一瞬で終わるのである。難点であった速度が改善されつつあるし、実はその速度が改善されれば、ステップ数も問題ではない可能性が高い。ボタンを表示して次の画面に行くまで10数秒待たされていたからステップ数の多さに辟易するのであり、0.5秒ほどで表示されてしまうのであれば、多少ステップ数が多くともわかりやすいインタラクションの上であればストレスはたまらない。
この点で、ひょっとするとキャリアと積極的に組まなくてもキャリア以上に儲かるサービス事業者は出てくるかもしれない。


ただ、当面はキャリアの提供するケータイ電話の上でサービスを提供せざるを得ないし、その為、ワンステップ目の特等席は譲らざるを得ない。
というのも通信キャリアには、他では実現できていないどこでも繫がる柔軟なネットワークがある。
公衆無線LANも着々と利用範囲を拡大しているが、livedoorの失脚も含めて普及速度は速いとはいえない。
独自の電話機、モバイル端末を作るにせよ、インフラの問題が横たわるため、まだ端末からサービスを提供するにはいたらないと思われる。


時代の流れとして、今後、サービス事業者は
1.数年間はキャリアとの提携を積極的に打ち出す。
2.ステップ数の問題が改善され、キャリアと提携しなくともヒットを出し始める。
3.MVNO、あるいは、通信インフラの問題が改善され、キャリアの端末を介さず端末とサービスを提供する。
いずれにせよ、独占的なサービス提供を行ってきたキャリアが、公正でオープンな競争にさらされ苦闘するのは間違いないと思う。